住宅街など家が立ち並ぶ風景も、家の外観も一軒一軒それぞれの個性を持っています。
特に屋根は、形状や材料などによって外観の印象がずいぶん変わるものです。
屋根のデザインにはどのような種類があるのか見てみましょう。
屋根というと雨風を防ぐという家屋にとって大変重要な機能を備えたものです。
そんな屋根も機能性を重視したものだけでなく、最近ではさまざまなデザインのものがあります。
スタンダードな山型の切り妻(きりづま)形は大変合理的で、和風でも洋風でもどちらでも合うこともあり、多くの住宅に採用されています。
寄棟(よせむね)形も多くの住宅に見られる屋根の形状です。
構造上、台風などの風圧に対して最も強く頑丈といわれています。
入母屋(いりもや)形は切り妻と寄棟とを組み合わせたような形状が特徴で、その格調高いデザインは日本家屋に多く採用されています。
シャープでモダンなイメージのある片流れ(かたながれ)形は設計事務所などのデザイン住宅に多く見られるようです。
屋根は形状にもさまざまな種類がありましたが、材料にもいくつか種類があり特徴を持っています。
屋根材として広く普及しているのがスレート系です。
薄い住宅用屋根ふき材の一つで、風雨や日光などに耐える力も強く、軽いので耐震性においても有利です。
耐久年数は天然スレートであれば半永久的、人造だと30年†50年ほどになります。
金属系の屋根も多用されています。
金属板は加工のしやすさから複雑な形状の屋根にも対応でき、葺き方のバリエーションが多いのが特徴です。
耐久性があるので積雪寒冷地、海岸地域、強風地域でも使用できることや、モダンなデザイン性からガルバニウム鋼板が人気のようです。
耐久年数は40年程度です。
他にも日本で多く使われているのが瓦屋根です。
瓦にはセメントと砂から作ったセメント系と粘土系の焼き物の瓦とがあります。
セメント瓦は防水性がほとんどないので塗装が必要です。
優れている点は寸法精度や施工性の高い屋根材といえます。
粘土を使用した焼き物の瓦は、表面が強く色味については半永久的にメンテナンスが必要ないという利点があります。
しかし、他の屋根材に比べて重量があるので耐震性能を考慮する必要性があります。
耐久性はセメント瓦が30年†40年、粘土瓦は陶器瓦が半永久的、素焼き瓦が40年†50年ほどです。